おはようございます。
予定をたてても天気次第で毎週変更続き。これから梅雨に入るとますますそうなります。
間隔が空けられるといいんですが、一昨日、昨日と肉体労働が続きました。
身体が疲労しすぎると眠りも浅い気がします。
肉体労働って何してるの?と思うかもしれませんが、当店の場合年中つきまとう薪割り、薪の運搬、草刈り、庭の管理などがあたります。
通常のパン屋にはほとんど縁のない業務です。田舎ならでは、薪窯のパン屋ならでは、ですね。
さて、今日はその「薪窯」ということについて。「薪窯パン」を名乗っており皆さんも目にしてくださっていると思いますが、実際よくわかってないというかたは結構いらっしゃるのではないでしょうか。そこのところを改めて説明しとこうと思います。
ちなみに「まきがま」と読んでくださいね。たまに「しんがま」とおっしゃる方がおりますが「しん」でも「たきぎ」でもなく「まき」です。
「薪」とはつまり「木」です。主に丸太を割ったものをこう呼びます。当店の場合は前腕部くらいの太さのものを使います。たまに角材なども使います(もちろん塗料や防腐剤の使われていないもの)。
通常パン屋さんはオーブンという機材でパンを焼きます。電気やガスの力で出力を上げ、スイッチで温度調整ができる優れものです。
一方当店のオーブンはいわゆる「石窯」というものです。耐火煉瓦や土、石などで作られています。この窯自体の耐火煉瓦などを温めることにより、それらから放射される熱でパンを焼く仕組みです。
どうやって温めるのか。薪を燃やします。だから「薪窯」を名乗っているのです。
だったら「石窯パン」でもよいのでは?と思うかもしれません。
しかし、通常のオーブン内部に石を張り付け「石窯オーブン」と名乗っているものもありますし、耐火煉瓦や土、石のオーブンでもガスや電気が熱源のものもあります。都市部のピザ窯などには多いですね。
そういったものと区別するためにも「薪窯」を名乗っているわけです。
しっかりと温めるためには、よく乾燥した薪を何時間も燃やしてしっかりと熱を蓄える必要があります。(木)(金)(土)の営業ですが、(水)から窯は温めています。窯の構造、木の種類、乾燥度、くべる量、燃やす時間、外の気温それぞれが温度に関係してきます。やってることは単純ですが、完全にコントロールするのはなかなか難しく、それがまた飽きずに楽しめる要因でもあります。
なんでわざわざそんな面倒くさいことをするのか。
「パンの味わい」がまず第一。通常のオーブンより大きな熱量で焼くことができますから、パンの水分を逃がすことなく内部までしっかり焼くことができます。そうすることによりしっとり、もっちりとした食感に焼き上げることができます。
「もったいない」が第二。窯自体が身近にある石や土を使っていますし、薪の材料も捨てられるような木を使っています。無駄なく暮らす、の体現です。
これから考えていきたいのは、こうしたスタイルの普及により、森林資源の活用と山の保全に貢献していくことです。ピザであれパンであれもっと薪窯が増え、薪ストーブユーザーが増え、人々の関心が森林に向くことで山が手入れされ、防災、水源地の涵養、川の浄化、環境保全などなどにつながって行けばいいなと夢想しています。
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