自然栽培小麦のパン

亀岡に移住するにあたり、やってみたかったことの一つが菜園です。今は時間がなくてできていませんが、ちょっとだけ野菜を育てていたこともあります。移住前から自然農に興味があって、その次に自然栽培に興味をもちいろいろ勉強しました。

自然栽培小麦

薪窯とかペチカ、土壁の家なんかもそうなんですが「昔からあるのだけど、科学的に合理的で環境負荷の少ないシンプルな技術」というものがたまらなく好きなんですね。非常に。

技術的に面白いだけではありません。農薬の害はよく知られているところですが、化学肥料にせよ有機肥料にせよ、もともと存在しえないものを加えるというのは、ほどよく保たれている自然界のバランスをぐっと崩してしまいます。小さな崩れは修正されますが、大きな崩れはよくわからない結果(ときにそれは”おいしい”とかわかる結果のこともある)を引き起こすでしょう。いい結果と悪い結果は表裏一体で現れます。そういう意味で自然栽培は安全性が高いと思っています。

ライスバレー自然栽培小麦

パンの原料である小麦については、育てている間の農薬はもちろん、移送中に虫がつかないための薬も問題です。消費者のみならず作り手の健康も害します。食味が良くても安くても当店が外国産の麦を使わないのはそういった理由があります。

そんなわけですから、パンの原料となる小麦についても自然栽培のものがないかと思うのは私としてはごく自然なことでした。安全性を考えるとベストは自然栽培小麦。次に有機小麦。ですが、品種の特性もあるのでしょうか、なかなかありませんし、あっても遠方だったり高価だったり希少だったりします。

そんな自然栽培小麦をようやく手にすることができました。

亀岡、南丹地域で無農薬、もしくは減農薬で栽培された野菜 を配達・移動販売をしている369worksさんにご紹介いただきライスバレー米谷さんと知り合うことができました。

ライスバレーの圃場

ライスバレーとは、コンテンポラリーアーティスト(現代美術家)である米谷 健+ジュリア2人が手掛けるアートプロジェクト。ほぼ衝動的に過疎化進む日本の田舎(農村)へ移住を決定、「農業は芸術だ!」のコンセプトで5反百姓に挑んだのが事の発端。地元農業委員会の面接をきわどくパスし、2016年2月、新規就農者として認定。米、麦、豆、野菜、果物など栽培種類は多岐に渡る。2017年秋からは規模を拡大。環境保全と食の安全をコンセプトにクリエイティブな農業を目指す。100%無農薬、無化学肥料、無除草剤で土の活力(土中に無数に存在する善玉、悪玉菌のバランスがポイント)を蘇らせ、圃場が生態系を復活させることで農作物の成長を促す。よって主役は、野菜や生き物(土に潜む微生物含む)。百姓である我々は、その環境を整える世話役。アート作品でも度々環境問題をテーマに制作し、その都度、その道の研究者、科学者のお世話になったが、この経験は、まさに目から鱗。百聞は一見にしかず。

(ライスバレーHPより)

そうしたわけで、これまでの「全粒粉パン」をすべてライスバレーの小麦に切り替え販売することにしました。今までのでも十分美味しかったのですが、ライスバレーの小麦は野性味があるのでしょうか、香りも味も深くなった気がします。

1本740円とよいお値段になってしまいましたが、十分価格に見合う値打ちのパンとなっています。また、あまりなじみのない方のために前日焼きとなりますがスライス売りも始めました。こちらは1枚140円です。

全粒粉パン

最後に、ぜひおすすめしたいのが病気などで食事療法をされている方です。全粒粉のパンは玄米と同じく、ミネラルが豊富で血糖値の上昇が緩やかですので、生活習慣病をはじめがんなどの食事療法でも推奨されています。

私も父が闘病中にいろいろ調べましたが、全粒粉入りのパンはあっても全粒粉100%のパンは意外と見かけません。国産小麦で自然栽培ならなおさらです。あっても高価です。

生きる糧としてのパンとしては最高のものができたと思っています。

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