夏休みといえばラジオ体操があった。
毎朝6時に起こされ首からスタンプカードを下げて「グランド」と呼ばれる広場へ行くのだ。
「あ~た~らしいあ~さがきた♪」という歌に始まりラジオ体操第一、第二を行う。
終わるとぞろぞろと家に帰り朝ごはんとなる。パン屋さんで焼き立てのパンを朝ごはんに買って帰る日もある。そうして夏の一日が始まるのだ。
夏休みが終わるとご褒美にプレゼントがもらえることになっていた。
皆勤賞は少し豪華なものなのだけど、いつも必ずサボる日があるからいつもしょぼいものしかもらえなかった。
しかし、5年生の夏の終わりに「来年で最後だから皆勤賞を取ろう」と心に決め、6年生ではついに初の皆勤賞を手にしたのだった。
さて、うちの子どもたちはどうだろうか。
学校に入ったころはもう少し子どもが多かったからラジオ体操はあったのだけど、ひと夏にほんの数回しか開催されず、2年前からはコロナ対策という名目でラジオ体操がなくなってしまっている。
思うにコロナのせいではなく、子どもが少なすぎる、親たちがめんどくさがっている、というのがなくなった真の原因だろう。
あの朝の空気感というのは私の体の記憶に確かに残っている。
ラジオ体操をすることによって目に見えてなにかが良くなるかどうかは判然としない。
でも夏の風物詩が一つ消えようしているのは少し寂しくもある。
だから今年の夏は、朝6時に一人作業前にラジオ体操を行い、そして子どもたちを「あ~た~らしいあ~さがきた♪」と大音量の歌声で起こすことにしている。
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