パンがたくさん焼けないわけ

春の新作。『さくら大納言』

こんにちは。

3月はちょっと忙しくなりましたね。

最初はコロナのせいかな?と思っていたら、どうも「KYOTO SIDE」に掲載されたせいだ、となって、でもよくよく周りの話を聞いていたら合わせ技だったみたい。

というのも京都市内や大阪の方たちが「町で遊ぶのは危ない」ということで田舎へやってきているらしいんですね。だから亀岡の他のお店もお客が増えているところがちらほらあるようなんです。その上、地元亀岡の人も町へ出ず地元でウロウロしているとのこと。

そこで「なんか面白いとこないかな~」ってネットで検索したときに、たまたまうちの店が引っかかりやすい状況だった、というのが、どうもこの1か月の盛況のカラクリらしい(と推測)。

とはいえ、普通の店と比べたら来店者数の規模なんて全然しれたもんですし、先週くらいから早くも陰りが見え始めています。そろそろ普段の姿に戻るかな~なんて思っています。めちゃくちゃ美味しくて人気沸騰!というより焼いてる量が少なすぎるんですね。

この期間たくさんの新規のお客さまから「何時くらいならありますか?」と尋ねられ、完売したあとも「まだありませんか?」と言われる始末。本当にごめんなさい。あんまり焼けないんです。視線が痛い・・・。

では、どうしてたくさん焼けないのか?って話です。

物理的に大きな2つの要因があります。

一つは発酵がとれないこと。当店は自家製の天然酵母を使用しています。イースト菌で発酵させているパン屋さんが大半ですが、イースト菌と比べ天然酵母は発酵に時間がかかります。しかも当店は発酵器がないので余計に時間がかかります。

当店の場合前日に仕込みをして一晩かけて発酵させていますので、パンが足りなくなったからといって追加で仕込むということができないのです。

大量に仕込めばいいと思うかもしれませんが、じゃどこに置くのか?という問題が発生します。

そしてもう一つは焼ける量に限りがあるということ。薪窯は電気やガスのオーブンと比べ体積として焼くスペースをより必要とします。そして温度を上げるためにたくさんの時間を必要としますので、たくさん生地を仕込んだからと言ってさばける量に限りがあるのです。

通常のパン屋さんは、早起きしてパン生地を仕込み、発酵させてパンを焼きつつまた生地を仕込み、ということができるのでしょう。ですが、当店の場合この「仕込み→発酵→焼成」のサイクルが通常のパン屋さんと比べて長いのです。

当店のパンはそういうパンなのです。
ご理解いただければ幸いです。

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